2022年8月22日のeワラント特選銘柄

フィスコ社提供の今週のeワラント特選銘柄です。

<今週の東京株式市場見通し>

今週(8/22~8/29)の東京株式市場は上値の重い展開か。日経平均株価の予想レンジは 28,200~29,200 円。週末の金融政策イベントを控え、様子見ムードが強い週となりそうだ。

25日からカンザスシティー連銀が主催する経済政策シンポジウム「ジャクソンホール会議」が開かれる。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長による講演は日本時間で26日23時の予定で、これを東京市場が織り込むのは翌週となる。FRBは繰り返し今後の金融政策の動向は「データ次第」としているため、今会議での結果が市場に大きなインパクトを与える可能性は低いとみているが、年に1回の注目イベントで、稀に短期的な政策方向性に関する話が出てくることもあるため、週を通して動きづらい展開が予想される。

また、週末にはFRBが重要視する米7月個人消費支出(PCE)コアデフレータが発表予定。7月の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)が揃って予想を下回ったため、今回の食品・燃料を除いたコアPCEデフレータは6月の前月比+0.6%から同+0.1~0.2%程度に大きく減速する見込み。インフレ減速はほとんど事前に想定されている結果ではあるが、ジャクソンホール会議でのパウエル議長の講演内容が無難なものに終わった場合には、ポジティブに捉えられる可能性がありそうだ。

より短期的に相場に影響を与えそうなところでは、24日に発表される米半導体大手エヌビディアの決算がある。直近、半導体業界では需要が急速に鈍化している兆候が相次いでいる。エヌビディアも今月8日に、5-7月売上高が見通しを下回ることを明らかにし、市場を動揺させたばかりだ。事前にある程度織り込まれているとはいえ、8-10月見通しに対する注目度は高く、指数寄与度の大きい関連株の動向を占ううえで注目したい。

一方、需給面では基調の転換に注意したい。7月半ばから株式市場のリバウンドが始まったが、既に1カ月が過ぎ、日柄的にはそろそろ上昇が一服してもおかしくない頃合いだ。足元では底堅いながらも、リバウンド相場の序盤に力強い動きを見せていた米ナスダック総合指数の騰勢にも衰えが見られる。また、先週末に米国版のSQ(特別清算指数)算出を終えていることからも、買い戻しが一巡してきたと推察される。これまで同様の力強い基調がそのまま延長されるという安易な考え方には注意が必要だろう。

また、東京証券取引所が公表する裁定取引に係わる現物ポジションを見ると、8月8日時点での買い残から売り残を差し引いたネットの裁定買い残は、3月21日に並ぶ今年最高水準にまで積み上がっている。日経平均株価の推移をみると、前回、ネットの裁定買い残がピークを付けた3月21日の週をピークに、その後2カ月近く下落基調を辿った。週末に注目イベントが控える中、需給面での一巡感も台頭してきていることで、今週は上値の重い展開となることを予想する。

なお、今週は23日に米7月新築住宅販売件数、24日に米7月耐久財受注、25日に米4-6月期国内総生産(GDP)改定値、ジャクソンホール会議(~27日)、独8月Ifo景況感指数、26日に米7月個人所得・個人支出が発表予定。

<今週の注目銘柄>

楽天グループ(4755)コール354回
権利行使価格725円(原資産:707円)デルタ:0.50

第2四半期(4-6月)は営業赤字が続いた。モバイル事業が主因だが、インターネットサービス、FinTechなど他の事業は好調が継続。モバイルも10月末で新プラン切り替えに伴うキャッシュバック還元策が終了し、今後は自社回線エリアがさらに拡大していくことで、KDDIへのローミング支払いも低減。ゼロ円プランの廃止で、解約者数が増えたが、解約したユーザーの8割程が支払い料金0円であったため、むしろ、収益体質は改善に向かう。モバイルは依然赤字とはいえ、すでに最悪期は脱したと考えられる。こうした中、株価は依然としてコロナショック後の2020年3月安値水準にあり、見直し余地があると考える。

太陽誘電(6976)プット51回
権利行使価格4,800円(原資産:4,520円)デルタ:-0.53

積層セラミックコンデンサー(MLCC)は自動車の電動化に伴う搭載量増大などが期待されるが、一方でスマホ等の民生向け市場では需要の大幅な減速が生じており、全体としては需給が引き締まっていくには、もう数四半期は待つ必要がありそうで、株価の底入れにもまだ時間がかかると予想する。

アップル(AAPL)コール207回
権利行使価格160米ドル(原資産:174.15米ドル)デルタ:0.68

スマートフォンの最新モデル「iPhone(アイフォーン)14」シリーズの発表イベントが9月7日に開催されるもようとブルームバーグ通信が報じた。同社の4-6月業績は、iPhoneの需要が想定以上に堅調で売上高と一株当たり利益(EPS)が共に市場予想を上回った。パソコン「Mac(マック)」等は供給網混乱の影響で伸び悩んだが、供給網制約は改善に向かっている。クックCEO(最高経営責任者)は7-9月に売上高が再び加速するとの見通しも示した。相対的に堅調な業績と今後のイベントへの期待感などを背景に、同社株価が全体相場をアウトパフォームする傾向が続きそうだ。


(提供:株式会社フィスコ)

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