フィスコ社提供の今週のeワラント特選銘柄です。
<今週の東京株式市場見通し>
今週(9/12~9/16)の東京株式市場はしっかりか。日経平均株価の予想レンジは27,500~28,750円。米8月消費者物価指数(CPI)など重要指標を控える週ではあるが、波乱の確率は低く、相対的には週末の米国でのトリプルウィッチング(株価指数先物、株価指数オプション、個別株オプションの3つのデリバティブ取引の決済が重なる日)に向けて米国株のショートカバー(買い戻し)に連れて上昇しやすい展開が予想される。
先週7日、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催直前に0.75pt利上げのリーク報道役を担ったウォールストリート・ジャーナル紙のニック・ティミラオス記者が9月20~21日に開催されるFOMCでの0.75pt利上げの可能性を報じた。こうした経緯もあり、市場では既に0.75pt利上げがほぼ完全に織り込まれており、9月FOMCでのサプライズ要素は一つ減った。これに伴い、13日に控える米8月CPIに対する警戒感もやや薄れており、大幅に上振れでもしない限り市場が神経質に反応する可能性は低いだろう。
今後、市場の関心は各国中央銀行による政策動向そのものよりも、金融引き締めが実体経済、企業業績にどの程度影響を与えるのかという点に移っていくと考えられる。こうした中、注目なのは週後半にかけて発表される米国と中国の8月小売売上高や鉱工業生産のほか、米連銀が公表する9月製造業景況指数、米9月ミシガン大学消費者信頼感指数などだろう。一方、先んじて発表されている米8月ISM製造業・非製造業景況指数が揃って市場予想を上回っていることもあり、株式市場が急落するほどの大幅な悪化の可能性は低いと考えられる。
このため、インフレ長期化や景気後退を巡る懸念はくすぶるものの、目先の株式市場は堅調に推移することが見込まれる。こうした見方を支える背景として需給要因も挙げられる。米国では8月最終週に、機関投資家が株式のプットオプション(売る権利)を新規に大量購入したと、一部の調査会社が伝えている。規模としては過去22年で最も大きいという。また、商品投資顧問(CTA)の米国株のネットの買い持ち高は過去11年間の最低水準まで急低下しているとも伝わっている。
日経平均が7月20日から8月17日まで急上昇した期間、海外投資家は日経平均先物を1兆3,500億円ほど買い越していた。8月第4週(22日~26日)~第5週(29日~9月2日)の2週間では一転して売り越しに回っていたが、この間の売り越し額は5,400億円程。そのため、買い持ち高の解消余地がまだ残っており、日本株に限っていえば需給状況はあまり良くない。ただ、上述したように米国株が堅調に推移すれば、日本株も為替の円安基調なども相まって堅調な動きが期待できそうだ。
今週は12日に8月工作機械受注、13日に7-9月期法人企業景気予測調査、8月企業物価指数、米8月CPI、14日に7月機械受注、米8月生産者物価指数(PPI)、15日に8月貿易収支、東京ゲームショウ2022(~18日)、米9月ニューヨーク連銀景況指数、米9月フィラデルフィア連銀製造業景況指数、米8月小売売上高、米8月鉱工業生産、16日に中国8月小売売上高、中国8月鉱工業生産、米9月ミシガン大学消費者信頼感指数などが発表予定。
◇
<今週の注目銘柄>
三菱商事(8058) コール260回
権利行使価格4,400円(原資産:4,375円)デルタ:0.48
第1四半期最終利益は市場予想を大幅に上回り、通期計画に対する進捗率は63%と高い。会社側からは追加株主還元も検討する旨が示されている。今後の業績上振れや増配・自社株買いが期待されるなか、9月28日の権利付き最終日にかけては配当権利取りを狙った買いも活発化するとみられ、株価の堅調推移が期待される。
◇
イビデン(4062) コール140回
権利行使価格4,600円(原資産:4,575円)デルタ:0.53
今見通しが物足りないと評価されたほか、その後の景気減速に伴うパソコンを中心とした民生向け市場の需要落ち込み、顧客先のサーバー向けCPU(中央演算処理装置)の投入遅れなどが懸念されて株価は長らく調整基調にあった。しかし、中長期的な成長期待は高く、4-6月期決算も堅調だったことで、6月半ばには株価は底入れしており、そこからは緩やかながらリバウンド局面に入っている。日足一目均衡表では雲を上抜けており、引き続き今後の堅調推移に期待したい。
◇
マツダ(7261)コール142回
権利行使価格1,250円(原資産:1,213円)デルタ:0.38
1ドル=140円台を優に超え、ドル円は24年ぶりの円安水準を更新中。日米金利差拡大に着目した投機筋の円売りに加え、貿易赤字の長期化を背景とした実需筋の円売りが円安の背景にある。こうした構図は当面続くと考えられ、今後は1998年8月につけた1ドル=147円台が上値目途になると考えられる。同社の想定為替レートは1ドル=123円であり、業績上振れ期待が高い。また、第1四半期決算時には、新型モデルのCX-50やCX-60の引き合いが良好である旨が示されている。高収益のこれら両モデルの販売は下期から来期にかけて本格化する見通しであり、円安メリットの大きい自動車株の中でも同社に特に注目したい。
(提供:株式会社フィスコ)
※記載の銘柄情報はフィスコ社との情報利用契約に基づき、カイカ証券が利用料を支払って掲載しています。また、分析対象の選定およびコメントは、フィスコ社独自の調査・判断に基づくものであり、カイカ証券による投資情報ではありません。