東証マザーズ指数にもeワラントで投資ができる!

マザーズ指数を対象とするeワラント登場!

9月26日よりeワラントの新規の原資産としてマザーズ指数を原資産とするeワラントの取引が開始されました。マザーズ指数には投資家に人気のある成長性の高い企業が多く上場しており、日経平均株価やTOPIXとは異なる値動きをします。

本レポートでは、マザーズ指数、日経平均株価、TOPIXの違いを比較すると共に、相場観・利用局面別にどのようにマザーズ指数eワラントを活用することができるのかを紹介しています。

マザーズ指数のリターン分布

マザーズ指数は東証マザーズ市場上場の普通株式全銘柄を対象とした時価総額加重平均指数です。一方で、日経平均株価は東証一部に上場する銘柄から日本経済新聞社が選定する225銘柄で構成されています。また、TOPIXは東証一部に上場する全銘柄で構成されています。日経平均株価やTOPIXが日本経済全体の動向を示す指標であるのに対し、マザーズ指数は新興企業やベンチャー企業の勢いを表す指標といえるかもしれません。

構成銘柄数の違いによって、マザーズ指数は日経平均やTOPIXとは異なる値動きをします。下図は2006年10月以降の各指数の週次リターン(収益率)を分布図にしたものです。例えば、マザーズ指数の1週間のリターンが18%~20%の範囲に収まったのは1回だけあるため、分布図には横軸の18%~20%のところに発生回数1として表示されます。日経平均株価とTOPIXの週次リターンが18%~20%の範囲に収まった回数は0回なので横軸で18%~20%のところは0となっています。

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マザーズ指数の分布図は日経平均株価やTOPIXに比べて高さが低く、横幅がある形状をしています。これはリターンの分布が広い、つまり、大きなプラスのリターンと大きなマイナスのリターンが日経平均株価やTOPIXと比べて多く発生していたことを示しています。

一般に、構成銘柄数が多い株価指数ほど分布図の高さは高く、横幅も狭いとがった形状になります。これは構成銘柄一つ一つのリターンが相殺されるためで、分散投資の効果が出ていることになります。構成銘柄数でいえば、マザーズ指数<日経平均株価<TOPIX なので、分布図の形状も構成銘柄数の違いを反映したものになっています。

このようにマザーズ指数は日経平均株価やTOPIXよりも大きな変動をするのが特徴であり、原資産の変動がリターンの源泉となるeワラントに向いている原資産と言えるでしょう。

構成銘柄の寄与度

下の図はマザーズ指数とTOPIXの構成比率上位10銘柄を比較したものです(2016年8月末現在)。TOPIXが輸送用機器、銀行業などを中心に構成されているのに対し、マザーズ市場は医薬品、サービスなど寄与度が高くなっています。また、マザーズ指数構成銘柄は、比較的外部環境の影響を受けづらく、また、事業が多角化されていないことなどからニュースなどの材料で株価が動きやすいため、現在の難しい相場にあって、個人を中心とした投資家層に注目を集めています。

マザーズ指数 TOPIX
業種 銘柄名 業種 銘柄名
1 医薬品 そーせいグループ 輸送用機器 トヨタ自動車
2 精密機械 CYBERDYNE 銀行業 三菱UFJフィナンシャル・グループ
3 サービス ミクシィ 情報通信業 ソフトバンクグループ
4 医薬品 ナノキャリア 情報通信業 日本電信電話
5 情報通信業 JIG-SAW 情報通信業 KDDI
6 医薬品 オンコセラピー・サイエンス 銀行業 三井住友フィナンシャルグループ
7 情報通信業 モルフォ 輸送用機器 本田技研工業
8 サービス エナリス 銀行業 みずほフィナンシャルグループ
9 医薬品 サンバイオ 食料品 日本たばこ産業
10 医薬品 ジーエヌアイグループ 電気機器 ソニー
出所:日本取引所グループよりeワラント証券投資情報室作成

しかし、マザーズ指数への影響が懸念される事があります。それは、指数寄与度の大きい銘柄が他市場へ鞍替えすることです。特に売買高が大きく、時価総額の高いそーせいグループが早ければ今秋に東証一部市場への鞍替え申請を予定しています。鞍替えが発生した際には基準価格が調整されるため、直接的な影響はないものの、人気銘柄がなくなることでマザーズ指数への関心低下が危ぶまれます。

eワラントの銘柄選びのポイント

マザーズ指数を対象とするeワラントには、一般にマザーズ指数の上昇時に値上がりが見込める「コール」と、マザーズ指数の下落時に値上がりが見込める「プット」があります。数千円程度の小額からマザーズ指数に間接的に投資することができます。さらにeワラントにはレバレッジが効いているので、マザーズ指数の値動きの大きさもあいまって、大きなリターンを期待することができるものと考えられます。

【活用法(1) マザーズ指数の急騰・急落を投資機会とする】
上述のとおり、マザーズ指数は短期間で大きな値動きが起こることがあります。短期間での急騰・急落を狙うのであれば、コールの場合は権利行使価格が相場水準よりやや上、プットの場合はやや下でレバレッジが高めの銘柄が向いているでしょう。

具体例
急騰を想定するなら東証マザーズ指数 コール 2回 (権利行使価格1100円、満期日2017年6月14日)
急落を想定するなら東証マザーズ指数 プット 2回 (権利行使価格850円、満期日2017年6月14日)

【活用法(2) プットで保有する株のヘッジをする】
マザーズ市場に上場している個別銘柄を保有している場合には、プットを用いて相場の下落をヘッジすることが可能です。マザーズ市場に上場している銘柄は信用売りができないケースが多いため、相場下落のリスクを抑える手法の1つとしてご検討ください。

(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)
※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。