株主還元の強化を打ち出しそうな企業群に少額から分散投資

世界的に株主還元に力を入れる企業が増加しています。一部報道によると、配当と自社株買いの合計額は2018年度に過去最高の2兆3,786億ドル(約265兆円)と、金融危機の影響が強く出る前の08年度と比べて倍増する見通しのようです。

eワラントでは株主還元を重視する経営方針に転換する可能性があると考える日本株10銘柄に、少額から、分散投資をすることができる新商品株主還元関連株バスケットeワラントの取扱いを開始いたしました。

株主還元とは?その効果は?

株主還元とは、税金などを支払った後に残った純利益や、過去の利益の蓄積の一部を株主に返す(還元する)ことを表します。保有する株式数に応じて現金を支払う「配当」と、企業が自社の株式を買い戻す「自社株買い」に大きく分けられます。

国内の上場企業が2018年に行った株主還元は15兆円超と過去最高を記録する見込みです。株主還元が増加している背景には、企業に剰余金が積みあがっていることや、大規模な設備投資が減っていることなどが挙げられるでしょう。剰余金が積みあがっている企業には、株主から株主還元の圧力が増すでしょうし、企業買収の対象候補となることへの対策もあるかもしれません。

一方で、企業の株主還元の経営姿勢は投資家には概ね好感されている模様で、企業が新たに配当(増配)や自社株買いを実施する旨のニュースが出た後に、株価が上昇するしたケースが散見されます。

増配のニュースで株価が上昇する理由

  1. 将来業績に対する期待の上昇
  2. 経営陣の株主還元スタンス改善期待
  3. 配当利回りの上昇

自社株(自己株)買いのニュースで株価が上昇する理由

  1. 一株当たりの利益(EPS)の増加
  2. 経営陣の株主還元スタンス改善期待
  3. 株式の需給バランス改善期待

株主還元関連株バスケットeワラントの構成銘柄と使い方

前述のように、株主還元策の強化が株価にポジティブな影響を与えるのであれば、今後株主還元を行いそうな企業に前もって投資することができれば、実施発表後の株価上昇を収益機会とすることができるかもしれません。

とはいえ、株主還元策の実施は高度な経営判断を伴いますし、特定の個別株式への投資には個々の企業の信用リスクや事業上のリスクが伴います。

一方で、リスク分散のために複数の銘柄に投資するためには、多額の投資元本が必要となります。

株主還元関連株バスケットeワラントは、eワラント証券がネットキャッシュや割安指標(2月末時点)に注目して独自に選定した、今後、株主還元を重視する経営方針に転換する可能性があると考える銘柄群(バスケット)に、レバレッジをかけた投資を少額から、かつ損失限定でできる商品です。本バスケットの価格上昇によって値上がりが期待できるコール型eワラントがあります。

株主還元関連株バスケットの構成銘柄

使い方としては、本バスケットの構成銘柄のいずれかが、増配や自社株買いの発表を行うことなどで本バスケットが上昇すると考える場合には、コール型eワラントを買付けます。想定どおり本バスケットが上昇した場合には、手仕舞い売りをします。

ただし、バスケットの構成銘柄のいずれかが上昇した場合でも、他の構成銘柄が大きく下落した場合にはバスケットは下落してしまうことがある点にはご注意ください。また、株主還元策の発表で株価が一時的に上昇した場合、短期間のうちに反落するケースもあります。ニュースがあれば、早いうちに手仕舞い売りを心がけたほうが良いでしょう。