eワラントは現物株や株価指数などの資産の価格変動に応じて価格が変動する商品です。対象となる資産そのものよりも大きな値動きが期待でき、ときには何倍、何十倍という価格変動をするケースもあります。
今回、eワラントのお取扱い銘柄のうち「コロプラ コール 第34回」という銘柄が上昇し、約1カ月半のうちに332.1倍という驚異的な上昇率を記録しました。これはeワラント証券が営業を開始して以来、過去最高となる大きな上昇率です。
eワラント歴代上率ランキング
下表のランキングは、eワラント証券が営業を開始した2011年8月8日から2019年9月30日までのeワラント上昇率ランキング上位20銘柄です。期間中最安値(売気配値)で買付けを行った場合、最大でどこまで価格が上昇したのかを表しています。

今回、驚異的な上昇率で新たにランキング1位と5位にランクインしたのは、コロプラ(3668)を対象とするコール型eワラントです。コール型のeワラントは対象とする相場が上昇するほど値上がりを期待できるタイプのeワラントです。
スマートフォン位置情報ゲーム『DRAGON QUEST WALK(ドラクエウォーク)』(販売元:スクエアエニックス)が2019年9月12日にリリースされ、その後も各種セールスランキングでも上位をキープしており、好調なアプリ内課金が続いています。同ゲームの開発を担当したコロプラの株価は8月に一時600円を割り込む年初来安値をつけましたが、ドラクエウォークのヒットにより10月1日には年初来高値となる1,930円をつけるなど大きく上昇しました。コロプラ株の上昇を受けて、コロプラ株を対象とする e ワラントも急騰し、特にコロプラコール第 34 回という銘柄 は、8 月 13 日から 9 月 30 日までの上昇率が 332.1 倍となる大きな上昇を記録しました。

コロプラコール第 34 回に抜かれるまで1位となっていたのは、任天堂(7974)を対象とするコール型のeワラントです。2016年の6月から7月にかけて任天堂株は「ポケモンGO」のヒットで急騰し、これによって任天堂株を対象とするeワラントも最大で317.5倍と急騰したものです。1位、2位がゲーム、特に位置情報ゲームに関連して大きく価格が上昇したという点は、今後の投資を考えるうえでヒントになるかもしれません。
ちなみに2019年では、ソフトバンクグループ(9984)を対象とするコール型eワラントも上昇率101.8倍と100倍越えの大幅上昇を果たしています。ソフトバンクグループ株は今年2月に発表した大規模な自社株買いが好感され大きく上昇し、同社株を対象とするeワラントもそれを受けて大きく上昇しました。
コロプラコールや任天堂コールの再現を狙うなら
ランキング上位の銘柄のような、大きな上昇が発生するためにはいくつか条件があります。
その中でも特に大事なのは、対象となっている相場(対象原資産)が大きく上昇又は下落することです。ただ対象原資産が変動すればいいわけではなく、対象原資産の変動性=ボラティリティの急上昇を伴う大きな下落が必要となります。
ボラティリティ(インプライド・ボラティリティ)はeワラントの価格計算にも用いられており、ボラティリティの上昇はコール型、プット型双方にとって価格上昇要因となります。そのため、例えばコール型eワラントの場合、ボラティリティの変動を伴う対象原資産の大きな上昇があった場合、対象原資産の上昇によるeワラント価格の上昇に加え、ボラティリティの上昇もeワラントの価格上昇に寄与するため、あわせて大きな価格上昇の可能性があります。
特に、「あまり変動しないだろう(=ボラティリティが低い)」と考えられていた銘柄が、予想に反して大きく変動した際にはその効果は大きくなると考えられます。以下の銘柄は、eワラントの対象原資産となっている銘柄のうち、ボラティリティが過去に比べて低位に留まっている(具体的には、10月7日取引終了時点において、直近30営業日のボラティリティが直近90営業日、直近200営業日のボラティリティの双方を15%以上下回っている)銘柄をピックアップしたものです。もし、以下のような銘柄でボラティリティの変動を伴う大幅な価格変動があれば、上記のランキングに載るような大幅上昇が再び起こるかもしれません。
リニカル(2183)
インターネットイニシアティブ(3774)
JIG-SAW(3914)
そーせいグループ(4565)
サイバーエージェント(4751)
メタップス(6172)
ブイ・テクノロジー(7717)
東京エレクトロン(8035)
(eワラント証券)
* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。