6月上旬は英国の総選挙、前FBI長官の議会証言、FRBの追加利上げなど大きなイベントがありましたが、日経平均株価は20,000円前後、米ドル対円相場は111円前後でこう着感を強めています。
6月下旬は相場に大きな影響を及ぼすと考えられるイベントが少ないため、相場が大きく動かないという見通しを持たれている投資家も多いことと思います。
相場にトレンドが発生していない場合は、投資を手控えるのも戦略の一つと言えますが、相場が動かないことを逆に利用して収益獲得の機会にすることもできます。ニアピン型eワラントを活用することです。
ニアピン型eワラントとは?
ニアピン型eワラントは、満期日の日経平均または米ドル対円相場が、銘柄ごとに決められているピン価格(権利行使価格)に近いほど満期受取金が大きくなる仕組みのeワラントです。
例えば、ピン価格(権利行使価格)が20,000円の日経平均株価を対象とするニアピン型eワラントは満期日の日経平均株価(始値)が20,000円であれば1ワラントあたり100円を受取ることができます。
ぴったりの20,000円でなくてもピン価格(権利行使価格)から±250円の範囲の“ニアピン賞”であれば、ピン価格(権利行使価格)に近いほど受取金額が大きくなります。米ドル対円相場を対象とするニアピン型eワラントの場合はピン価格から±2円の範囲となります。
相場がこう着すると値上がりするニアピン
ピン価格(権利行使価格)と対象となっている相場が近い場合、時間が経過するほど“ニアピン賞”となる可能性は高まることになりますから、ニアピン型eワラントの価格は徐々に値上がりしていきます。
コール型eワラントやプット型eワラントは一般的に時間経過によって価格が下落しますが、ニアピン型eワラントは時間経過によって価格が上昇する場合があるのです。
この図は日経平均株価を対象とするピン価格(権利行使価格)20,000円、満期日7月12日のニアピン型eワラントの値動きです(左軸)。
図中の青線はeワラントの値付けに用いている日経平均株価の参照価格です(右軸)。6月に入ってから日経平均株価が20,000円前後でこう着状態となっていますが、この銘柄は徐々に上昇していることが分かります。
これは満期日に20,000円±250円の“ニアピン賞”となる可能性が高まってきたためです。
参考銘柄
今後しばらく相場がこう着するという前提であれば、7月12日を満期日とするニアピン型eワラントに投資妙味があります。
上図にあるように、満期日に近くなるほど“ニアピン賞”の可能性が高まるからです。
7月12日を満期日とするニアピン型eワラントのうち、現在の相場に近いピン価格(権利行使価格)の銘柄は次の通りです。
ただし、相場とピン価格(権利行使価格)が満期日直前に乖離した場合には大きな下落となるリスクがある点には注意が必要です。また、ニアピン型eワラントの買付けは満期日の2営業日前まで、売却は満期日の前営業日の15時までとなっていますので、この点にもご注意ください。
ニアピン日経平均1373回(ピン価格(権利行使価格):19,750円)
ニアピン日経平均1374回(ピン価格(権利行使価格):20,000円)
ニアピン日経平均1375回(ピン価格(権利行使価格):20,250円)
ニアピン米ドル959回(ピン価格(権利行使価格):110円)
ニアピン米ドル960回(ピン価格(権利行使価格):112円)
(eワラント証券 投資情報室)
※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。