プット・コールレシオとパラボリックの取引戦略(2018年8月更新)

5月18日付の「プット・コールレシオの低下と取引戦略」でトレンドを把握するテクニカル指標のパラボリックと、eワラントの取引指標であるプット・コールレシオを組み合わせた簡単に実践できる取引モデルを紹介しましたが、先週から日経平均株価のトレンドが下落に転じており、「売り」シグナルの発現に注目です。

パラボリックとプット・コールレシオの復習

テクニカル指標の1つであるパラボリックはチャートの下に丸が出れば上昇、つまり買いのシグナル、上に丸が出れば下落つまり売りのトレンドを示すシグナルとなります。パラボリックは売り・買いのサインが分かりやすいため、初心者でも分かりやすいと思われます。本稿で紹介している取引モデルでは日経平均株価に対して日足のパラボリックの利用を推奨しています。注意点としては、パラボリックは大きなトレンドを早期に捉えられることがある一方で、トレンドが発生していないと効きにくいという欠点もあります。

日足のパラボリックは8月6日より下落トレンドに転換しています。日経平均株価のパラボリックはフィスコパワーチャートや、HYPER SBIの「チャート」画面の右側で「パラボリック」を選択するか(HYPER SBIについてはこちら)、又はeワラントチャートで日経平均株価を対象とする銘柄を選び、左上のメニューの「テクニカル選択」で「パラボリック」を選択すると表示することができます(例:日経平均プット第956回のeワラントチャート)。なお、eワラントチャートで表示される日経平均株価の値は参照価格であり、取引所取引における価格とは異なる場合がありますので、パラボリックの点灯タイミングなどは他のチャートと異なることがあります。

パラボリックがトレンドを把握する順張り型の指標であるのに対して、eワラントのプット・コールレシオは逆張り型の指標です。プット・コールレシオが高いとプットの取引が多いことを示し、悲観的な相場観を持つ投資家が多いことを意味しますが、これは買いのタイミングとも考えられます。プット・コールレシオが低いとコールの取引が多いことを示し、楽観的な相場観を持つ投資家が多いことを意味しますが、これは売りのタイミングとも考えられます。なお、eワラントホームページのプット・コールレシオは日本株を対象としたもので、毎営業日、eワラント取引終了時間の午後11時50分以降の夜間に更新されます。

取引モデル例

図1は2017年8月15日から2018年8月14日までの過去1年間の日経平均株価(日足)、パラボリックとプット・コールレシオです。これらを組み合わせた取引モデルは次の通りです。

【買いシグナル】

    • 日足のパラボリックが「買い」(チャートの下に丸がある)
    • プット・コールレシオが0.2以上0.5未満

⇒日経平均株価のコール型eワラントの買い、CFD、225先物等の買い建て

【売りシグナル】

    • 日足のパラボリックが「売り」(チャートの上に丸がある)
    • プット・コールレシオが0.2未満

⇒日経平均株価のプット型eワラントの買い、CFD、225先物等の売り建て

【上記以外=中立】

  • ポジションを取らない

8月15日の寄り付き前、午前8時時点では、前日の8月14日の日経平均株価のパラボリックは「売り」、eワラントのプット・コールレシオは0.34でしたので、上記取引モデルでは「中立」となります。パラボリックが「売り」のままで、プット・コールレシオが0.2未満となりますと「売りシグナル」となりますので注視しておきましょう。

運用シミュレーションを更新

図1と同期間でこの取引手法を実践した場合のシミュレーションをしたのが図2です(2017年8月14日を100として指数化)。シグナルを午前9時前に確認し、シグナルに変更があれば始値で取引したものとしています。売りシグナルが出た場合には日経平均株価を新規にショート(売り建て)したものとし、仮に買い持ちしていれば売却した上で新規に空売りしたものとしています。100を起点にしてバイ&ホールド、いわゆる買い持ちした場合と比較しています。 シミュレーションの結果を見ると、2018年1月まではバイ&ホールドの方が取引モデルを上回る成績となっていますが、2018年の2月の下落で逆転しています。2018年1月末から2月中旬にかけて取引モデルは売りシグナルを出していたからです。直近ではパラボリックでは8月6日に下落に転じ、プット・コールレシオが8月8日と9日の取引後に0.2未満となったため、「売り」シグナル発現で9日と10日にショートしています。10日の日経平均株価は前日比1.33%の下落となりましたので、この下落を収益機会にできました。

実際の投資においては、「売り」シグナルが発現した場合にCFDや225先物でショートしたり、日経平均を対象とするプット型eワラントを利用することが考えられます。eワラントであれば小額から利用可能ですし、相場が反対に動いても最大損失は買付代金までに限定されますので、リスク管理が容易です。

なお、シミュレーションでは取引に係る手数料は考慮されておりません。また、直接指数へ取引することはできず、eワラント、CFD、225先物など各種金融商品を通じて投資を行うことになりますから、運用シミュレーションは実際の投資成果とは異なること、また、将来の投資成果を保証するものではないことにはご注意ください。本稿で紹介している取引モデルだけでなく、将来必ず収益が得られる保証のある取引モデルは存在しません。しかしながら、ご自身が有効と思われる取引モデルを複数同時に実践し、投資戦略の分散を図ることは有効かと思われます。

(eワラント証券 投資情報室)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。