プットeワラントを用いた個別株のヘッジ例

 日経平均株価は1月23日に今年の高値を付けたものの、その後は下落基調にあります。円高も進んでおり、急落局面では保有している株式を売ったほうが良いのか、それとも保有し続けるほうが良いのか悩ましいところです。特に保有している株式を手放したくない長期保有を前提とした場合はなおさらです。

 「保有株式が下落した場合の保険があればなぁ」というときは、プット型eワラントを保険代わりに利用することで、株安に備えることができます。本稿ではNISA口座で保有残高上位にあるオリエンタルランド(4661)を事例として採り上げます。

プット型eワラントの活用法

 図1は2017年8月以降のオリエンタルランドの日足の株価の推移です。株価は大きな調整もなく、上昇トレンドを描いています。一方でより長い期間で見た図2の週足の株価の推移を見てみますと、2015年には株価10,000円付近からの6,000円台もあったことから、株価の調整があるとするならば8,000円台や7,000円台があってもおかしくはない、と心配される方もいらっしゃるかもしれません。
 とはいえ、長期保有を前提としているために売却したくないという事情もあるかもしれません。そこで、保有している株式を手放すことなく、最大損失を限定させる方法があります。相場下落時に価格上昇が見込めるプット型eワラントを、保有している株式の量に該当する分だけ買うという方法です。

実践例の紹介

 オリエンタルランドの1月30日の終値は11,010円でした。前提として、既に株価9,000円で買い付けた当該株式を100株保有しているものとします。このまま継続保有したいけれども急落のリスクに備えたいので株価が10,000円を下回る部分に保険を掛けたいとします。なお、株式保有に生じた手数料は考慮していません。

<前提(2018年1月30日終値)>
対象株式:オリエンタルランド(4661)
株価:11,010円
買付単価:9,000円
保有数量:100株

 株価が10,000円を下回る部分について保険を掛けたい場合は、権利行使価格が10,000円のプット型eワラントを購入して満期日まで保有します。例えば、オリエンタルランド プット56回という銘柄は権利行使価格10,000円、満期日が2018年7月11日です。このプット型eワラントを買い持ちすることで、2018年7月11日において株価が10,000円を下回る部分に保険を掛けることができます。

<プット型eワラント銘柄概要(2018年1月30日15:00時点)>
売気配値(お客様が買付できる単価):2.06円 ※1
満期日:2018年7月11日
権利行使価格:10,000円
1ワラント当たり原資産数:0.004 ※2
対象株式100株に対して必要な買付数量:25,000ワラント※3
買付金額:51,500円
※1 eワラントの価格(気配値)は市場動向によって変化します。
※2 全てのeワラントに予め定められている小口化のための係数です。
※3 必要な買付数量=株式保有数量(100)÷1ワラント当たり原資産数(0.004)

 保有株の全てに保険をかけるのであれば上記の式にあるように25,000ワラント必要となります。eワラントの満期日の2018年7月11日はこの保険の満期日とも言え、株価水準ごとの損益と保険によるヘッジ効果は表1のとおりとなります。

 満期日の株価(満期決済に用いられるのは始値)が10,000円以上であった場合、合計損益(C)はeワラントの買付金額分(51,500円)だけ目減りすることになりますが、株価が10,000円を下回るほどeワラントの満期決済金額が大きくなるため、株価が下落したケースでは合計損益(C)は48,500円でとどまっています。

 例えば株価が7,000円となった場合には株式の評価損益(A)は200,000円の損失ですが、eワラントの満期決済損益(B)が248,500円の利益になっているので合計すると48,500円で止まっています。つまり、保険を掛けなかったときと比べて248,500円のプラスの効果があったことになります。

 なお、表1では現物株式の購入に必要な一切の手数料は考慮されておりません。eワラントの取引手数料は無料ですが、お客様の買値と売値には売買価格差があり、この表1では当該売買価格差は考慮されています。

保険が要らなくなったら買い取ってもらう

 以上のようにプット型eワラントを下落に対する保険として活用することによって、現物株を手放すことなく最大損失を確定させることができます。ただし、これは満期日まで保有した場合です。満期日より前であればeワラントは買い取ってもらえるため、株価が上昇していて保険を掛ける必要性がなくなったらeワラントを売却してしまってもかまいません。

(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)

* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。