マイナス10倍のレバレッジ?

4連休も終わり、決算シーズンがやってきました。緊急事態宣言に伴う外出自粛など、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた4~6月期ですが、どのような結果となるのでしょうか。内容次第では日経平均のような指数も大きく動く展開となりそうです。

日経平均にレバレッジをかけて投資ができる商品としては、従来のコール・プット型に加え、プラス5倍トラッカー・3倍トラッカー、野村日経225レバETFプラス5倍トラッカーがありますが、8月3日より「野村日経225ダブルインバースETFリンク債プラス5倍トラッカー」が追加されます。

本コラムではレバレッジトラッカーの特性と新商品「野村日経225ダブルインバースETFリンク債プラス5倍トラッカー」の特徴や注意点についてご紹介いたします。


レバレッジトラッカーとは?

「レバレッジトラッカー」は、日経平均など対象となる相場(以下、「対象原資産」と言います)の値動きに価格が連動する有価証券です。レバレッジトラッカーには、対象原資産の価格の変動幅のプラス5倍にほぼ連動する「プラス5倍トラッカー」と、対象原資産の価格の変動幅のマイナス3倍にほぼ連動する「マイナス3倍トラッカー」の2タイプがあります。

※ただし、配当落ち日においては連動しないことがあります。また、変動率のプラス5倍またはマイナス3倍にはなりませんのでご注意ください。

レバレッジトラッカーの特徴のひとつとして、相場が上下を繰り返しても基準価額の押下げが発生しないことが挙げられます。対象となる相場にレバレッジをかける商品にブルベアファンド・ETFがありますが、これらの基準価額は変動率に対して〇倍という商品設計になっています。これにより、例えば相場がいったん上昇した後、再び同じ水準に戻る「往って来い」となると基準価額は同じようには戻りません。特に相場が上げ下げを繰り返す状況では時間の経過とともに基準価額が押下げられていきます。

225先物取引やCFDと比較すると対象原資産の変動幅に連動する仕組みは同様ですが、レバレッジトラッカーはeワラントの一種なので、他のeワラントと同様に追証発生のリスクはありません。このため、レバレッジ取引に不慣れな方でも比較的取り組みやすいレバレッジ商品と言えます。

注意点としては、変動幅のプラス5倍、マイナス3倍という商品設計になっていることから、取引価格がマイナスにならないよう自動ロスカット機能を備えており、買取価格(買気配値)が一度でも1円を下回った場合、1円以下での固定価格による買取のみとなる点です。

なお、eワラントのコール型やプット型と比較すると時間経過による目減りが無い点がメリットと言えるでしょう。その代わり、一般的にコール型やプット型よりもレバレッジは小さく、数日で〇割上昇というコール型やプット型のハイリターン投資を狙うことは難しいと言えます。


ダブルインバースにレバレッジ

今回追加される「野村日経225ダブルインバースETFリンク債プラス5倍トラッカー(以下、同トラッカー)」は、先ほど紹介したレバレッジトラッカーの一種で、NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(1357)に概ね連動する投資成果を目的とした野村日経225ダブルインバースETFリンク債を対象原資産としています。

同トラッカーは、対象原資産となるETFのレバレッジ効果にプラス5倍トラッカーのレバレッジ効果を加えることで、日経平均に更にレバレッジをかけて投資ができるという商品です。野村日経225ダブルインバースETFは、日経平均の変動率のマイナス2倍変動する(=日経平均が下落した場合に上昇)商品ですので、マイナス2倍×5倍でマイナス10倍の変動を見込むことが出来ます。

通常のレバレッジトラッカーはこう着相場でも基準価額が押し下げられませんが、同トラッカーの場合、対象原資産が日経ダブルインバースETFのためこう着相場では相対的に大きな基準価額の減少が発生します。これをふまえると、日経平均が短期~中期で下落することを想定した場合に向いた銘柄といえるかもしれません。こう着相場の場合は通常のマイナス3倍トラッカーを、短期でより大きな下落を見込むのであればプット型を購入するなど、いろいろと試してみてください。


(eワラント証券 投資情報室)

* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。