中国監視カメラ大手に禁輸措置、エンティティー・リストとは?

米商務省は7日、中国の監視カメラ大手の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)や浙江大華技術(ダーファ・テクノロジー)など28の企業・団体をエンティティー・リストに追加すると発表しました。5月には華為技術(ファーウェイ)が追加されたことで話題となった同リストですが、一体どういったものなのか、その影響を調べました。

エンティティー・リストとは

エンティティー・リストとは、米商務省産業安全保障局(BIS)が作成しており、米国の国家安全保障・外交政策上の利益に反する活動に関与している企業・団体・個人などがまとめられています。リスト掲載者へは、米国からの輸出だけでなく、非米国からの米国原産品を含む産品の再輸出なども規制されます。原則として輸出許可はおりないため、事実上の禁輸措置対象リストととも言われています。

規制に違反して輸出を行った企業・団体はディナイド・パーソン・リストに掲載され、米国での商取引が禁止されます。5月にファーウェイとその関連企業が追加された際には、グーグルやインテル、クアルコムといった企業が直ちに同社との取引停止を表明したことから、その影響力の大きさが伺えます。

画像認識システムの根幹

今回リストに追加されたハイクビジョンとダーファ・テクノロジーの2社は、世界の監視カメラ市場の3分の1ともいわれる大きなシェアを有しており、中国のAIネットワーク「天網」の根幹を担っています。天網は中国国内に設置された監視カメラを通じて集めた映像をAIがリアルタイムで分析するというもので、警察官が装着したスマートグラスと連動させ容疑者の顔認識を行うなど、治安対策への利用が進んでいます。

両社は2018年8月に成立した米国防権限法で政府調達を禁じる中国企業5社にファーウェイなどと名を連ねたほか、5月にファーウェイがエンティティー・リスト入りした直後に、米紙を中心にリスト入り検討が報じられた際には、半導体関連株を中心に市場に大きなインパクトを与えています。

規制の影響は輸出停止に留まらない?

エンティティー・リストによる輸出規制は、既に述べたように他国での取引にも適用されます。また、規制対象は輸出・再輸出に加えて、当該企業・団体に技術・ソフトウェアを開示する場合なども含まれるため、包括的に取引を停止することも多いようです。同社製品の採用が見送られた場合は代替需要が発生する可能性もあります。

10月7日(月)より新たに追加されたeワラント、ニアピン、トラッカーの原資産には、ラグビーワールドカップへの採用で顔認証システムの評価を高めるNECなどが含まれています。代替需要の発生に期待するならこれらの個別株のコール買いも一案かもしれません。


(eワラント証券 投資情報室)

* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。