保有株に保険(ヘッジ)をかけるプロテクティブ・プット

12日の米国株式市場はアップルやゴールドマン・サックスなどが急落し、ダウ平均株価も2%を越す大きな下落となりました。相場のボラティリティ(変動性)は高まっており、突如として相場が崩れることも多くなってきました。相場の下落に備えるのであれば、保有する株式等を売却することが考えられますが、プット型eワラントを「保有株式が下落した場合の保険」として活用することで株式等を手放すことなく最大損失を限定させる方法(プロテクティブ・プット)もあります。

プット型eワラントの活用法~みずほFGの事例~

今回は配当株として長期保有されている方も多いと思われる「みずほフィナンシャルグループ(以下みずほFG)」を事例として紹介します。図1は直近半年ほどの株価推移です。13日の日経平均株価は2.06%の下落となりましたが、みずほFG株は0.56%の下落に留まっており、配当利回りだけでなく相場全体の下落に対する耐性と言う点でも長期保有されている方もいらっしゃるでしょう。しかし、相場全体に対する下落圧力がさらに強まれば、売却はしたくないけれども短期的な下落が不安、と思うこともあるかと思います。このようなとき、相場下落時に価格上昇が見込めるプット型eワラントを活用します。具体的には、保有している株式の量に該当する分だけ買い、最大損失を限定させる保険のようにします。

実践例の紹介

前提として、みずほFG株を株価190円で買い付け、1,000株保有しているものとします。
<前提(2018年11月13日10:17時点)>
対象株式:みずほFG(8411)
株価:195円
買付単価:190円
保有数量:1,000株

みずほFGを対象とするプット型eワラントの一覧を見ると、2018年11月13日時点では2018年12月12日満期の権利行使価格170円、190円、2019年2月13日満期の権利行使価格180円、2019年4月10日満期の権利行使価格190円の計4銘柄があります。

例えば、
2018年12月12日満期日の権利行使価格170円のプット型eワラントは、
→ 2018年12月12日において株価が170円を下回る部分の保険
2018年12月12日満期日の権利行使価格190円のプット型eワラントは、
→ 2018年12月12日において株価が190円を下回る部分の保険
と解釈します。

満期までの期間が長くなるとeワラントの価格は高くなっていますし、権利行使価格はプット型eワラントの場合は、権利行使価格が高いほどeワラントの価格は高くなっています。つまり、満期日という期限までに到達する確率が高いほどeワラントの価格も高くなるのです。保険として使うのであれば支払額は安くしたいので、今回は2018年12月12日満期日の権利行使価格190円のプット型eワラントを例として紹介します。

<プット型eワラント銘柄概要(2018年11月13日10:17時点)>
売気配値(お客様が買付できる単価、販売価格):0.74円 ※1
満期日:2018年12月12日
権利行使価格:190円
1ワラント当たり原資産数(株数):0.2 ※2
対象株式1,000株に対して必要な買付数量:5,000ワラント※3
買付金額:3,700円
※1 eワラントの価格(気配値)は市場動向によって変化します。
※2 1ワラントが何株に該当するかの係数です。予め定められています。
※3 必要な買付数量=株式保有数量(1,000)÷1ワラント当たり原資産数(0.2)

保有株の全てに保険をかけるのであれば上記の式にあるように5,000ワラントを買うことになります。支払額は買付金額の3,700円です。eワラントの満期日の2018年12月12日はこの保険の満期日とも言え、株価水準ごとの損益と保険によるヘッジ効果は表1のとおりとなります。

満期日の株価(満期決済に用いられるのは始値)が190円以上であった場合、合計損益(C)はeワラントの買付金額分(3,700円)だけ目減りすることになりますが、株価が190円を下回るほどeワラントの満期決済金額が大きくなります。例えば株価が170円に下落していたケースでは、株式を保有していれば20,000円の含み損ですが、eワラントで16,300円の利益が出るので合計損益(C)は3,700円の損失でとどまっています。

なお、表1では現物株式の購入に必要な手数料は考慮されておりません。eワラントの取引手数料は無料ですが、お客様の買値と売値には売買価格差があります。表1では当該売買価格差は考慮されています。

保険が要らなくなったら買い取ってもらう

以上のようにプット型eワラントを下落に対する保険として活用する手法を、プロテクティブ・プットと言います。プロテクティブ・プットを行うことで、現物株を手放すことなく含み益や最大損失を確定させることができます。また、満期日より前であればeワラントは買い取ってもらえるため、株価が上昇基調となって保険を掛ける必要性がなくなったらeワラントを満期前に売却してもかまいません。

(eワラント証券 投資情報室)

* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。