優勝賞金は3億円、eスポーツとは!?

米国で行われたeスポーツの世界大会で、16歳の少年が優勝賞金300万ドル(約3億2千万円)を獲得したと各所で報じられています。

海外に限らず、国内でも高額賞金を設定した大会が開催されはじめるなど、各社がeスポーツ普及に向け力を入れているようです。そこで、本稿では拡大するeスポーツ市場について紹介します。

賞金総額1億ドルの「フォートナイト・ワールドカップ」

米エピック・ゲームスは7月27、28日の2日間にわたり、人気タイトル「フォートナイト」の世界大会「フォートナイト・ワールドカップ」を米ニューヨークのアーサー・アッシュ・スタジアムで開催しました。決勝の賞金総額はeスポーツの大会としては過去最高規模となる3,000万ドル(約32億4千万円)で、4月から2ヶ月半に渡り行われた予選で支払われた賞金を含めた総額は1億ドル(約108億円)に達しています。

ちなみに、同スタジアムで8月末に開催予定のテニスの全米オープン2019のシングルスの優勝賞金が385万ドル(約4億2千万円)、賞金総額は5,700万ドル超とみられており、これと比較して遜色ない規模であることからも同社の力の入れようがわかります。

また同社のほかにも、人気タイトル「Dota 2」を手がける米バルブ・コーポレーションが2018年8月、賞金総額約2,500万ドルの世界大会を開催、優勝チームは約1,100万ドル(約11億9千万円)を獲得しました。さらに、8月に開催される大会ではこれを上回る規模の賞金が設定されているようです。さらに、「リーグ・オブ・レジェンド」や「ハースストーン」などのタイトルで大会が開催されており、人気を博しています。

こうした動きは企業に限ったものではありません。eスポーツ人気を受けて、2018年8月にインドネシアで開催された第18回アジア競技大会では、コナミHD(9766)の「ウイニングイレブン」等がデモンストレーション競技として採用されました。さらに、2022年の中国・杭州大会ではeスポーツが正式種目として採用される見込みです。

国内eスポーツ情勢

eスポーツの歴史を振り返ると、1980年代のコンピューターゲームの誕生に遡り、1990年代の格闘ゲームブームを経て、2000年頃には「eスポーツ」という単語が生まれていたようです。ただ、盛り上がりを見せだしたのは2010年代中ごろからで、2015年には日本eスポーツ協会(JeSPA)、e-sports促進機構が、2016年には日本eスポーツ連盟(JeSF)の業界団体が相次いで設立されました。

2018年2月には、これらの3団体を統合し、日本eスポーツ連合(JeSU)が発足しました。同団体はeスポーツの普及を目的に、プロライセンスの発行などを行っています。

90年代の格闘ゲームブームの頃から各所で大会が開催されていたものの、賞金に関しては刑法や景品表示法、風俗営業法といった法律の観点から、国内では高額賞金の設定が難しいとの見方が一般的でした。

しかし、消費者庁が「仕事による報酬として賞金を得る場合には景品表示法で言う「景品類」には該当しない」との見解を示したことなどから、サイバーエージェント(4751)傘下のサイゲームスが18年12月に賞金100万ドル(約1億1千万円)の大会を開催するなど、高額賞金の設定を始める企業・団体も現れています。

プレイするだけではないeスポーツ市場

これまで紹介した大会のほとんどが、インターネット上の動画配信プラットフォームで配信されており、これを通じて世界中のファンが試合動画を視聴することが可能となっています。

オランダの調査会社Newzooによると、2018年のeスポーツ動画の総視聴者数は3億9,500万人でしたが、2019年は前年比15%増の4億5,400万人に、2022年には6億4,500万人に達するとみられています。個人レベルでも「YouTube」や「Twitch」といったプラットフォームを利用した収益化も進んでいるようです。

また、eスポーツの普及を受けて国内外で専門施設を設ける動きも進んでいます。eスポーツカフェと呼ばれるゲーム専門のインターネットカフェが増加しているほか、米ロサンゼルスや韓国のソウル、国内では秋葉原などにeスポーツイベント専用のスペースがオープンしています。さらに、各種プロリーグの開催を受けて、選手の教育・育成やマネジメントビジネスなどに参入する企業も現れました。

先ほど紹介した調査では、2019年の世界のeスポーツ市場規模は約11億ドル(約1,188億円)、2022年には17億9,000万ドル(約1,933億円)にまで拡大すると試算しています。国内でも一つの産業として定着していくことが期待されるところでしょう。

今回紹介したeスポーツ関連銘柄

騰訊控股(テンセント・ホールディングス)
「フォートナイト」のエピック・ゲームスを傘下に置く。「王者栄耀」や「リーグ・オブ・レジェンド」といった人気タイトルを多数保有。


アマゾン・ドット・コム
世界最大規模のゲーム動画配信サービス「Twitch」を提供。


マイクロソフト
レーシングゲーム「Forza Motorsport」で独ポルシェと提携。ゲーム動画配信プラットフォーム「Mixer」なども手がける。


サイバーエージェント
スマホカードバトル「シャドウバース」のほか、国内最大級のeスポーツイベント「RAGE」や動画配信プラットフォームなども手がける。


コナミHD
「ウイニングイレブン」や「実況パワフルプロ野球」など。日本野球機構(NPB)とプロ野球eスポーツリーグを共催。


(eワラント証券 投資情報室)

* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。