対円相場上昇後も明暗が

世界的な株高が続くなか、日経平均は約3カ月半ぶりに23,000円台を回復しました。株高の背景には経済活動再開への期待があり、6月5日に発表された米雇用統計において非農業部門雇用者数が前月比で750万人減との予想に対して同250万人増と大幅な改善が確認されたことなどが拍車をかけたようです。経済活動再開への期待感から上昇しているのは株だけなのでしょうか。今回はeワラントの対象となっている各通貨の推移を確認してみました。


株だけではなく為替も

6月1日から5日までの一週間におけるeワラントの騰落率では、ニュージーランドドル高型(対円相場でニュージーランドドルが上昇した場合に価格上昇が見込まれる商品)が1位、2位となりました。ニュージーランドでは3月半ばから実施していた新型コロナウイルス対策が奏功し、6月8日には国内の感染者数がゼロとなったことで国内の規制を全て解除しました。経済活動も段階的に再開したことで対円相場だけでなく、対ドル、対豪ドルでも上昇をみせています。

次の図はeワラントの対象となっている各通貨の2020年1月以降の対円相場の推移を指数化したものです。5月下旬から加速する株高に合わせて各通貨も上昇していることがわかります。


感染拡大が続くようであれば…?

足元で各通貨が戻りをみせるなか、南アランドは相対的に戻りが鈍いことがみてとれます。WHOの発表によると、南アフリカにおける新型コロナウイルスの一日当たりの感染者数は2,312人(8日時点)と、未だピークを確認できていません。一方で5月1日以降ロックダウンの段階的な解除を進めており、感染拡大が一段と進む可能性もあります。政府による5,000億南アランド(約3兆円)規模の経済対策発表を受けて下げ止まりをみせたものの、まだ新型コロナウイルスを警戒して神経質な展開が続くのではないでしょうか。

また、米ドルは5日の雇用統計発表で一時1ドル=109円台まで上昇しました。ただ、アメリカは新型コロナウイルス対策に成功したとはいえず、相次ぐ暴動もあり感染拡大リスクは依然として高そうです。また、一部では米国は景気後退期(リセッション)入りしているとの指摘もあります。新型コロナウイルスの感染拡大が一段と進んだ場合には、再び3月の水準まで下押すシナリオもあるのかもしれません。

経済活動再開への期待感が各通貨の上昇を促した一方で、各国の新型コロナウイルスの感染状況は様々です。感染者数がゼロとなったニュージーランドなどに対して、まだピークアウトを迎えていない国々は感染拡大が経済活動に水を差す可能性に留意する必要があるでしょう。


(eワラント証券 投資情報室)

* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。