業種で明暗が分かれる?

緊急事態宣言の発令から1カ月が経過しました。外出自粛による感染拡大防止効果などから国内における新型コロナウイルスの新規感染者数も減少を見せており、一部の特定警戒都道府県を除く県では緊急事態宣言の解除が検討されていることが伝わっています。欧米でも部分的な経済活動の再開が進んでおり、世界的に株式相場は反発基調が続いているようです。では、一体どういった銘柄が上昇をけん引してきているのか、今回は東証一部の銘柄を業種別に分類して算出される東証業種別株価指数を見ていきましょう。


明暗が分かれた各業種

今回は、コロナショック前にTOPIX(東証株価指数)が高値をつけた2/6を基準に各指数の推移を確認しました。TOPIXを上回るパフォーマンスを発揮したのは9業種であったのに対して、TOPIXを下回るパフォーマンスをみせたのは24業種でした。次のグラフは、TOPIXと上位3業種、下位3業種の期間中の推移を表したものです。


電気・ガス業や情報・通信業といった内需の中でも必要不可欠なインフラ関連が底堅く推移する一方で、原油価格の大暴落を受けた鉱業や、需要の大幅減が見込まれる鉄鋼、空運業の下落が目立っています。こうした指数に注目してリターンを狙う場合、同一業種のなかでも比較的上昇が緩やかな出遅れ株を探したり、割高な株を売ったりすることが考えられるでしょう。


指数への影響の大きさも考慮する

指数を判断基準にする場合には、その指数がどのように算出されているかを知ることが重要です。例えば、日経平均は日本経済新聞社が選定した225銘柄の株価を用いて算出されていますが、みなし額面で換算した株価を単純に平均しているため、ファーストリテイリング(9983)など一部の値がさ株の影響が大きくなっています。

では、東証業種別株価指数はどのようにして算出されているのでしょうか。同指数は証券コード協議会が定める33業種に基づいて分類された銘柄の時価総額を合算し、基準時価総額で除して算出されています。この時価総額には上場株式数に浮動株比率(FFW)を乗じたものが用いられており、NTT(9432)など一部の銘柄では発行済株式数と上場株式数が異なるものの、概ね時価総額の大きい銘柄が指数に与える影響が大きいとの理解で問題ありません。

これを踏まえた上で各指数を見ると、その他製品の堅調な推移は比重の大きい任天堂(7974)がけん引したものであることがわかります。任天堂は外出自粛により家庭用ゲーム機「スイッチ」の需要増が期待される「巣ごもり消費」銘柄の代表格としてコロナショック後も資金を集めていました。業界全体が好調なのか、比重の大きい銘柄の個別要因による好調なのかを見極めることが重要といえるでしょう。

また、4月下旬にかけてはそれまでパフォーマンスが上位だった電力・ガス業が調整をみせる一方で、下位3業種を除いた中間層が全体的に上昇しています。市場の関心はコロナ後の世界に移っているのかもしれません。ただ、足元では反発局面が継続しているものの、米中対立などの懸念事項が残っているのも事実です。突発的な下落の可能性に備えて、損失限定型のeワラントへの投資を検討してみてはいかがでしょうか。


(eワラント証券 投資情報室)

* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。