決算発表時におけるリターンリバーサル戦略

 決算発表をきっかけに、下落傾向にあった株価が大きく上昇したり、上昇傾向にあった株価が大きく下落したりする現象はしばしば見られます。また、このような現象をリターンリバーサルと言うことがあります。決算発表が本格化していくこの時期、リターンリバーサルの発生を利用して、下落傾向にあった相場に対してはコール型eワラント、上昇傾向にあった相場に対してはプット型eワラントで収益を狙う投資戦略を検討してみてはいかがでしょうか?本稿ではリターンリバーサルを前提とする投資手法について解説しています。

リターンリバーサルの例

 リターンリバーサルが発生する背景には投資家が過剰反応することが考えられます。例えば、株価にとって良い情報を投資家が過大に評価してしまい、株価が合理的と考えられる価格を大きく上回る、または、株価にとって悪い情報を投資家が過剰に懸念してしまい、株価が合理的と考えられる価格を大きく下回るといったことです。株価が合理的と考えられる価格から大きく乖離した後、適正な価格に収れんしていく過程をリターンリバーサルと言うことがあります。

 下図は安川電機(6506)の過去3カ月の日足のチャートです。工作機械受注の減少や米中貿易摩擦という悪材料によって、安川電機の株価は昨年末から下落傾向にありました。今月10日の大引け後に発表された、同社の2019年2月期の連結純利益予想は455億円と従来予想の470億円から下方修正されました。一見悪材料と思われる情報でしたが、翌11日の東京株式市場では同社株は反発しました。

 この動きこそがリターンリバーサルです。チャートを見ると厳密には10日の決算発表よりも少し前に下落トレンドがいったん終わり、上昇トレンドに転換したように見えますが、決算発表で業績見通しが下方修正されても株価が上昇するという状況を見れば、投資家が過度に悲観的に同社株を見ていたと解釈することができるでしょう。

リターンリバーサルが発生しそうな銘柄とは?

 決算発表をきっかけにリターンリバーサルが発生すると仮定するならば、近く決算発表を控えている株式について、株価が下落傾向にある株式を対象とするコール型eワラントを買っておく、または、上昇傾向にある株式を対象とするプット型eワラントを買っておくことで、リターンリバーサルによる収益獲得が期待できるかもしれません。

 以下はeワラントの対象となっている株式のうち、近く決算発表が予定されている株式の一例です。年末年始にかけて下落傾向にあった株式についてはコール型eワラント、上昇傾向にあった株式についてプット型eワラントの買付を検討します。日付は決算発表予定日です(決算発表日は変更される場合があります)。

<リターンリバーサルによる上昇を想定=コール型買い>

1/23 日本電産(6594)
1/31 セリア(2782)コーセー(4922)村田製作所(6981)日本MDM(7600)

<リターンリバーサルによる下落を想定=プット型買い>

1/25 エムスリー(2413)小糸製作所(7276)
1/29 横河ブリッジHD(5911)
1/30 オリックス(8591)
1/31 日立製作所(6501)

(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)

* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。