相場に危険信号?プット・コールレシオが天井圏を示唆か

 日経平均株価は今年の高値圏にありますが、投資家心理のバロメーターとも言える「プット・コールレシオ」が日本株市場の短期的な天井圏を示唆しています。9月以降上昇傾向にある東京市場ですが、相場格言にあるように「人の行く裏に道あり花の山」と言うように、強気の見方が増えている状況下では逆に様子見のスタンスとするほうが良いのかもしれません。

eワラント「プット・コールレシオ」とは

 eワラントには相場上昇で値上がりが期待できるコール型と相場下落で値上がりが期待できるプット型があります。相場に強気な見方が増えるとコール型の取引が活発になり、相場に弱気な見方が増えるとプット型の取引が活発になる傾向があります。

 「プット・コールレシオ」はeワラントの日本株を対象とするコール型とプット型の売買代金に注目した指標で、プット型の取引が増えると「プット・コールレシオ」は上昇し、コール型の取引が増えると「プット・コールレシオ」は低下します。

 図は2017年1月4日から2017年12月22日までの日経平均株価とプット・コールレシオの推移を示したものです。黄色のローソク足は日経平均株価、青線は「プット・コールレシオ」です。(「プット・コールレシオ」の最新データはeワラントホームページをご覧ください。https://www.ewarrant.co.jp/tools/put-call-ratio/)。

相場の天井と底を示唆?

 「プット・コールレシオ」が高まってくれば弱気な投資家が増えてきた、逆に低下してくれば強気の投資家が増えてきた、と考えることができます。絶対的なものではありませんが、「プット・コールレシオ」には次の傾向があり、相場の割高・割安を判断する指標として利用できるかもしれません。

  • 割高の判断:相場の高値圏では、プット・コールレシオは低くなる傾向
  • 割安の判断:相場の底では、プット・コールレシオは急上昇し、鋭いピークを形成する傾向

 今年の「プット・コールレシオ」を振り返ると、最も高まったのは4月17日の0.96でしたが、ほぼ同時期の4月14日の日経平均株価の終値は18,335円63銭で今年の最安値、つまり相場の底でした。また8月24日にも「プット・コールレシオ」はピークアウトしていますが、振り返ってみればこちらも相場の底と言え、9月以降の上昇相場を示唆していたことになります。

 当時の状況を振り返ると4月はトランプ米大統領がシリアにミサイル攻撃を行ったり、ISに対して最強爆弾を投下したころでしたし、8月は北朝鮮問題が相場の重石となっていたころでした。このような地政学的リスクが高まる時期には相場に弱気な見方が増えてプット型eワラントの取引が増える傾向がありますが、相場の底であり絶好の買いの機会でした。

 一方で、「プット・コールレシオ」が極端に低い時期は警戒が必要です。取引がコール型eワラントに偏っているため、相場の高値圏となっている可能性があり、過去には「プット・コールレシオ」の低下後に急落が発生したことがありました。12月21日の取引終了時点の「プット・コールレシオ」は0.07であり、今年の最低値です。

「プット・コールレシオ」に基づく投資戦略

 相場は上げもしくは下げが続くことはありません。どこかで反転するものです。相場格言の「人の行く裏に道あり花の山」は大勢が一方向に偏りすぎた場合には、大勢とは逆のポジションを検討せよ、ということです。「プット・コールレシオ」が低下しているのは相場に対して楽観的な投資家が多くなりすぎていることを示唆しており、「プット・コールレシオ」で見れば短期的な下落に警戒すべき局面にあると考えられそうです。

 eワラントの取引は数日から数週間の相場観で取引されることが多いので、「プット・コールレシオ」が示唆する相場の底入れや天井のシグナルは長期投資よりも数日から1、2週間程度において有効なものと考えられます。従いまして「プット・コールレシオ」を活用して投資戦略を考えるのであれば、長くても1、2週間程度の投資戦略とすべきでしょう。

 目先1、2週間程度の投資期間で大きな値上がり益を狙うのであれば、1月10日又は2月14日が満期日となっているプット型eワラントで、権利行使価格が相場水準に近い銘柄を選択すると良いでしょう。満期日近くで権利行使価格が相場水準に近い銘柄は値動きが相対的に大きくなる傾向がありますので、ハイリスク・ハイリターン型の投資となります。

 なお、プット・コールレシオは投資家の心理状態を把握できるという点で、過去の取引価格を観察するタイプのテクニカル分析より“ダマシ”は少ないと思われますが、プット・コールレシオを用いた投資手法が成功するとは限りません。大きな資金を投下し過ぎないなどリスク管理を心がけましょう。

(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。