緊急事態宣言の影響は?

政府は7日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言を発令しました。緊急事態宣言により5月6日まで約1カ月間、東京や大阪など7都府県を対象に知事の権限が強化され、外出自粛要請のほか、イベントの開催制限の指示が可能になります。東京都では、映画館などの遊技施設や大学などの文教施設、百貨店などの商業施設に休業を要請する見通しです。1カ月以上も続く自粛ムードのなかで「自粛疲れ」する人々も出ているようですが、緊急事態宣言は一体どのような影響を与えるのでしょうか。


ゴールデンウィーク中も対象に

観光庁が3月19日に発表した2020年2月の訪日外国人旅行客は、前年同月比58.3%減の108.5万人と大幅な減少を見せています。2月時点では欧米は楽観ムードだったこともあり、3月は一段と冷え込むことが予想されます。さらに、大型連休であるゴールデンウィーク期間中も首都圏の施設で休業が相次ぐとなると、日本人による国内旅行の減少も加速するとみられ、観光関連は厳しい展開が続きそうです。

今回の休業による業績への影響を正確に予測するのは困難ですが、2011年の東日本大震災時と比較すると、大まかな数値を割り出すことが出来るかもしれません。例えば、オリエンタルランド(4611)の場合ですと、2011年3月期に20日間の休業を実施し、災害による特別損失として97億円を計上しています。このうち、人件費・減価償却費などの休業期間中の固定費は53億円となっています。当然、人件費の上昇などがあるため単純比較はできませんが、同様の手法を用いることで大まかな予測は立てられそうです。


既に織り込まれている可能性

日銀による上場投資信託(ETF)買い入れ枠の拡大などから日経平均は3月下旬にかけて反発し、一時19,000円台半ばまで値を戻しました。ただ、4月に入って新年度が始まって以降は、日銀がETF買い入れペースを従来の水準に戻していることに加え、新型コロナウイルスへの警戒感も相まって上値の重い展開が続いています。

とはいえ、二番底を探る展開にまでは至らず、17,000円台半ばで下げ渋ると7日には再び19,000円台を回復する場面もみられました。特に、緊急事態宣言の発令に向けて具体的な準備が始まった5日以降は上昇が続いており、新たな材料としては意識されなかったという印象です。

緊急事態宣言による影響を織り込んだ上で株式市場が上昇をみせたのであれば、反発に転じた可能性もあるでしょう。その場合に資金がまず向かう先としては、新型コロナウイルスの感染拡大が追い風となったリモートワーク関連などが考えられます。マイクロソフト(MSFT)は3月29日、業務コミュニケーションツール「Teams」のデイリーアクティブユーザーが4,400万人を突破したと発表しています。また、スラック(WORK)は、3月10日から25日までの約2週間で同時接続ユーザー数が1,000万人から25%増の1,250万人に増加したことを明らかにしています。これらは米国企業ですが、リモートワーク関連ではサポートの豊富さから国内企業を利用する企業も少なくないため、関連銘柄に打診買いをいれてみるのも面白いかもしれません。

マイクロソフト(日足)


スラック(日足)


(eワラント証券 投資情報室)

* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。