7/5付で日本経済新聞社より重要なお知らせが発表されました。
「2021年9月末に行われる予定の日経平均株価の定期銘柄入れ替えに関して、新しい計算ルールを導入する。」とのことです。
概要は以下の通りです。
【従来の計算方式】
各構成銘柄の採用株価=株価×(50÷みなし額面)
日経平均株価=構成銘柄の採用株価合計÷除数
【新ルール】
各構成銘柄の採用株価=株価×株価換算係数
日経平均株価=構成銘柄の採用株価合計÷除数
※ただし、基準日時点で(7月末)、当該銘柄の株価が日経平均構成銘柄の採用株価合計の1%を超えている場合は、1以外の値(0.1~0.9 【小数点以下第1位まで】)を設定する。
当初は新規採用銘柄のみに上記ルールを適用しますが、2022年10月からは全銘柄に上記ルールが適用されるとのことです。
但し、既存銘柄に関しては、現在のみなし額面での換算値と同じ値になるように株価換算係数を設定する予定で、実質的にはウェイトの変更など、影響はないものと思われます。
では、それほど重要な発表ではないのでしょうか?
答えはノーです。とても重要な発表であると捉えるべきでしょう。
どういった点で重要なのかと言いますと、「時価総額、流動性などの観点から明らかに日本を代表する企業であるにもかかわらず、値がさ株だという理由だけで日経平均構成銘柄として採用されてこなかった銘柄が、今後は採用される可能性が出てきた。」ということなのです。
日本経済新聞社に対しては、ファーストリテイリングなどの一部の構成銘柄のウェイトが高すぎるため、日経平均株価が歪んだ株価指標だと、長年各方面から指摘され続けてきました。
その結果、任天堂や日本電産などの名だたる優良企業が、長年日経平均株価には採用されてきませんでした。(この2銘柄にいたっては、大証銘柄であったという理由もありましたが、東証と大証が統合された今は関係なくなっております。)
それが今後は値がさ株であっても、前述のルールに基づいて、極力指数内のウェイトを抑えることができるために、新規銘柄として採用される可能性が一気に高まったことになるのです。
そこで今回、TOPIX採用銘柄を対象に、以下の条件すべてに該当する銘柄をピックアップしてみました。
- 日経平均に未だ採用されていない
- 時価総額が1兆円以上
- 株価が10,000円以上※(7/5終値ベース)
※3に関して。
前述の【新ルール】の箇所で説明したように、新しいルールでは構成銘柄のウェイトが1%を超えるようであれば、株価換算係数で調整して組み入れることになります。つまり、構成銘柄の採用株価合計の1%(7/5終値ベースで、7,941円になります。)を超えていると値がさ株という定義になるため、ここでは10,000円以上という条件にしました。
結果は以下の表1の通りです。

もちろん日本経済新聞社が公表している定期見直し基準として、
- 市場流動性の測定(高流性銘柄群の決定)
- 市場流動性低下銘柄の除外(絶対除外基準)
- 市場流動性が極めて高い銘柄の採用(絶対採用基準)
- セクターバランスを考慮した銘柄の採用・除外(相対採用除外基準)
という基準がありますから、ここで挙げた銘柄が全て採用になることはないでしょう。
しかし、幾つかの銘柄は今まで上記採用基準をクリアしながらも、値がさ株だったという理由で採用されてこなかったわけですから、今後は採用への期待が高まることでしょう。
もし採用されたならば?
日経平均株価に連動するポジションは、世界に約25,000単位、金額にして約20兆円存在すると言われています。(7/5終値ベース)
従って、ウェイトが約1%弱で組み入れられると想定すると、各採用銘柄には約2,000億円の買い需要が発生する試算になります。
それらの想定値をベースに、もし新規採用になった場合に発生する買い需要を計算すると、以下の表2の通りとなります。

如何でしょうか?
さすが日本を代表する株価指数だけあって、大型株だとは言え、それなりの市場インパクトになることが想定されます。
では、どのようにポジションを取って、収益チャンスとして利用するべきなのか?
それは次回の記事にてお話ししたいと思います。
これらの日本を代表する値がさ株に関しては、eワラントの原資産としても多数ご用意がありますし、少額で投資できます。ぜひこの機会にeワラントを使った投資をご検討いただければと思います。
(eワラント証券)
※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。