1位は296倍越え!?2020年上半期の上昇率ランキング

2020年も半分が過ぎました。2020年上半期を振り返ってみると、中国・武漢市で発生したといわれる新型コロナウイルスが世界中で大流行を引き起こし、世界中で外出自粛や都市封鎖(ロックダウン)が相次ぐ事態となりました。工場や店舗の営業を停止する企業も相次ぎ、3月中旬には2016年11月以来3年4か月ぶりに日経平均が16,000円台の安値を付けるなど、企業業績の悪化懸念から世界中の株式市場は大荒れとなりました(コロナ・ショック)。しかし、その後は各国政府・中央銀行の景気刺激策が功を奏し、現在ではコロナ・ショックにおける下落幅の大部分を回復しています。


2020年前半のeワラント上昇率ランキング

金融市場の変動性(ボラティリティ)が高まったことを受けて、対象となる資産(対象原資産)の変動にレバレッジ効果を伴った値動きをするeワラントは、対象原資産以上に大きな変動を記録しました。

下表は今年の1月4日から6月30日までのeワラント上昇率上位20銘柄です。このランキングは実際に取引が可能であった、過去の販売価格(売気配値)、買取価格(買気配値)に基づく試算です。

ランキングを見てみると1位から20位まですべて「プット」というタイプのeワラントが独占していることがわかります。

「プット」とは対象となる相場が下がると価値が上がることが期待されるタイプのeワラントです。例えば、1位の韓国200種株価指数 プット第264回という銘柄は、韓国の代表的な株価指数・韓国200種株価指数(KOSPI200)が下落したことで価値が上昇したということを表しています。

新型コロナウイルスの影響で工場等の操業が止まる中、発生地の中国に地理的に近い韓国は日米の株価指数を上回る下落率を示しました。これを受けて同指数を対象とするプット型eワラントは大きく上昇し、1位の銘柄は約1カ月で296倍を超える大きな上昇率を記録しました。

下落相場で利益を得られるという点では空売りや先物等の売り建てとも似てはいますが、eワラントは証拠金取引ではありませんので、急激な反発があったときでもポジションが強制的にロスカットとなることや、追証が発生するリスクはありません。コロナ・ショックのような値動きが激しい相場でも比較的安心して取り組める商品と言えるかもしれません。

また、3月に大幅安となった局面から株価は回復基調にありますが、依然として例年よりもボラティリティが高い相場が続いています。eワラントは相場が変動すれば変動するだけ大きく価値が変動する可能性がある商品ですので、下半期にもうまく活用できるかもしれません。

※過去の実績であり将来の運用成果等を保証または示唆するものではありません。


コール型orプット型?

eワラントにはランキングに出ているもの以外にも、日経平均株価などの株価指数や、米ドル対円相場などの為替相場、そして原油や金といったコモディティ(商品)相場も対象になっています。ご自身が一番よく見ている相場を対象とするeワラントを選ぶのが良いでしょう。相場に強気の見方をしているのであれば、相場の上昇時に値上がりが期待できるコール型eワラントを選択します。

前述の通り、日本株市場はコロナ・ショックでの下落幅の大半を回復しています。引き続き株価の回復基調が続くと考えるのであれば、日経平均を対象とするコール型eワラントから始めてみてはいかがでしょうか。eワラントは数多くの銘柄がありますが、日経平均を対象とするコール型eワラントは最も取引される銘柄の1つです。

一方、2020年前半はプット型eワラントが上昇率ランキング上位を独占していました。株式市場では「二番底」が根強く懸念されていますが、3月に匹敵するような大きな下落が発生した際には、再びプット型eワラントが大きな上昇を記録する可能性もあるかもしれません。

また、既に日本株や日経平均等に連動するETF・投資信託等を保有している場合には、日経平均を対象とするプット型eワラントを併せ持つことで、保有する株式等の評価損をプット型eワラントの評価益で穴埋めするということも可能です。


満期保有or途中売却?

コール型eワラントの場合、対象となっている相場が各銘柄の権利行使価格を満期日に超えると満期受取金が発生します(プット型eワラントの場合は権利行使価格を下回る場合)。この満期日ですが、定期預金のようにお金が戻ってくる嬉しい日かというと、そうでもありません。対象となっている相場が権利行使価格を超えなければ(プット型は下回らなければ)受取金は発生せず、投資元本のすべてがなくなります。また、eワラントの取引価格には、満期日まで対象となっている相場が「大きく動いて値上がりするかもしれない」という期待値が含まれています。そのため、一般的に対象となっている相場が動かないと、満期日に近づくにつれてこの期待値が剥げ落ちていくので価格が目減りしてしまいます。満期日は消滅日として認識する方が感覚に合っているでしょう。

したがって、eワラントは満期保有せずに、含み益が生じたところで満期前売却するのが一般的です。eワラントは満期前でも買い取ってもらえるので、保有しているeワラントが数割上昇したら一旦売却して、別の新たな投資対象銘柄を探すのが良いでしょう。


(eワラント証券 投資情報室長 多田幸大)

* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。