2021年前半のeワラント上昇率ランキング

2021年も半分が終わりました。世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスですが、昨年末よりアメリカでワクチンの接種が始まり、日本国内でも接種が進みつつあります。ワクチンへの期待は非常に高く、2月には経済正常化や追加経済対策への期待から米国株が上昇すると、日本株にも買いが波及し、日経平均は約30年半ぶりに30,000円台を記録しました。


2021年前半のeワラント上昇率ランキング

日経平均が約30年半ぶりの高値を記録するなか、eワラントはどのような銘柄が上昇したのでしょうか。下表は2021年1月4日から6月30日までのeワラント上昇率上位20銘柄です。このランキングは、実際に取引可能であった販売価格(売り気配値)及び買取価格(買い気配値)を基に算出しています。

カテゴリを見てみると、国内株式を対象とするeワラントが上昇率上位を独占していることがわかります。インデックス(日経平均、韓国200種株価指数、NYダウ)や為替、外国株式、商品(金、原油等)、暗号資産といったカテゴリが他に存在するなか、なぜ国内株式を対象とする商品だけが上位にランクインしたのでしょうか。

ここで期間中最安値をつけた日付に注目してみましょう。ランキングのほぼ半数を占める日本製鉄とINPEXを対象とするeワラントが揃って2/1に安値を付けていることがわかります。1月末から2月初めというのは、米株式市場のボラティリティの高まりへの警戒感から日経平均が一旦27,000円台半ばまで調整を見せた期間です。その後、米株式市場の混乱収束期待や主要企業決算などを手掛かりに、日経平均は30,000円台まで上昇しました。日本製鉄とINPEXも同様に2月初頭に安値を付けた後、業績・配当予想が好感され大きく上昇したことで、両社を対象とするコール型のeワラントが大きな値上がりを記録しました。

ポイントとなるのは、短期間で大きな値動きを記録したことです。コール・プット型のeワラントは、対象となる原資産の値動きにレバレッジ効果を伴った変動をみせます(権利行使価格と原資産の価格水準が大きく乖離している場合はこの限りではありません)。一方、時間による減価が存在するため、原資産価格が緩やかに上昇(下落)する局面では価格上昇と時間による減価が相殺しあって期待したほどのリターンを上げられない可能性があります。上昇率上位となった銘柄はいずれも最安値から最高値を記録するまで長くとも1カ月程度と、比較的短い期間に大きな変動を記録していました。7位・8位にランクインした日本電産を対象とするプット型eワラントに至っては、最安値を付けた翌日に最高値を記録、一日で価格が9~10倍まで上昇しています。

ランキング上位を国内株式を対象とするeワラントが独占したのは、1月末から2月中旬のこの期間に国内株式の多くが急変動をみせたため、原資産価格が「短期間で」「大きく変動」という2つの条件を満たしたことが背景にありそうです。


投資スタンスを明確に

株式投資では短期目線で値上がりを期待して買い付けた銘柄が下落したため、株価が戻るのを待っていたらいつの間にか中長期に移行する、というケースはよくある話です。繰り返しになりますが、コール・プット型のeワラントはレバレッジをかけて投資ができるといったメリットがある反面、時間による減価が発生するというデメリットもあります。原資産価格が想定した方向に動かなかった場合は、戻りを期待して持ち続けるのではなく、当初のスタンスを一貫して一度ポジションを整理することが重要になります。時間による減価を避けつつ、価格変動が期待できるタイミングで再度入りなおすことでリターンを狙っていきましょう。

また、中長期で保有される場合は、コール・プット型のeワラントでなく、レバレッジトラッカーを利用するのも一案です。同商品は対象原資産(日経平均、金、ビットコイン等)価格の変動幅のプラス5倍又はマイナス3倍にほぼ連動して価格が変動するのが特徴で、時間による減価が発生しないため、コール・プット型と比較すると中長期での投資に向いています。また、暗号資産(ビットコイン・イーサリアム)は、満期までの期間をさらに伸ばした(2024年5月までの約3年間)トラッカーという商品もあります。ご自身の投資スタンスにあった商品を選んでeワラントを利用してみてはいかがでしょうか。


(eワラント証券)

* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。