2021年8月30日の特選銘柄

今週(8/30~9/3)の東京株式市場は一進一退か。日経平均株価の週間予想レンジは27,000円~28,000円。米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策方針を決める上で重要な8月雇用統計が週末に控えていることから、引き続き方向感に欠ける動きとなりそうだ。

週初は、前週末に開催された米経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でのパウエルFRB議長の講演内容を消化する形となるが、週末の雇用統計を前に一方向に大きく動くことは考えにくい。引き続き日経平均など指数はレンジ相場となり、小まめな逆張り戦略が功を奏しそうだ。

そのほか、米中の経済指標が多く発表される。中国では国家統計局が発表する8月製造業/非製造業購買担当者景気指数(PMI)のほか、民間版の8月財新製造業PMIが、米国では米サプライマネジメント協会(ISM)が発表する8月の製造業/非製造業景況指数のほか、8月消費者信頼感指数などが予定されている。

米中の経済指標の下振れ傾向を受けて景気減速懸念が強まってきたこれまでの経緯を踏まえれば、注目度は今まで以上に高い。仮に中国製造業のPMIが好不況の節目である50を割り込むとなると、中国の景気動向と特に結びつきが強い機械株には更なる重しとなるだろう。米ISM製造業景況指数も、前月比で鈍化が続けば、広く景気敏感株の売りにつながりそうだ。

また、8月ミシガン大学消費者態度指数が10年ぶりの低水準となったことが、米景気の減速懸念を強めた先日の経緯を踏まえれば、より調査対象が広い消費者信頼感指数にも注目だ。米個人消費者マインドの悪化は、相場全体に広く重しとなりかねないため軽視できない。

他方、日本国内では依然として新型コロナウイルスの感染動向に予断を許さない状況が続いている。緊急事態宣言の対象地域には更に北海道や愛知など8道県が追加され、高止まりした国内の新規感染の状況を踏まえれば、日本株の上値圧迫要因として引き続き意識されそうだ。

一方、客観的なデータに目を向けてみると、全国の新型コロナ新規感染者数は8月半ばをピークに鈍化してきたとみえる兆候が出てきている。社会的にはピークアウトを議論するのは時期尚早だろうが、株式市場では早くも転換点として捉えられそうだ。

直近では、食品医薬品局(FDA)が米国内で初めてファイザー・独ビオンテック製の新型コロナワクチンを正式承認したことや、ジョンソン・エンド・ジョンソンが、ブースター接種を巡る臨床試験データで効果的な免疫反応を確認したと発表したことなどもあり、前週は、陸運や旅行関連などアフターコロナ関連銘柄が久々に動意づいていた。今週も、米雇用統計を前に景気敏感株やハイテク株の売買が手控えられれば、消去法の選択肢として、アフターコロナ関連銘柄に引き続き物色が向かうことが想定される。

なお、今週は30日に7月商業動態統計、米7月中古住宅販売仮契約指数、米決算:ズーム(ZM)、31日に7月失業率・有効求人倍率、7月鉱工業生産、決算:トリケミカル研究所(4369)、ラクーンHD(3031)、中国8月製造業/非製造業PMI、米6月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、米8月消費者信頼感指数、9月1日に4-6月期法人企業統計、8月新車販売台数、決算:伊藤園(2593)、中国8月財新製造業PMI、米8月ADP全米雇用リポート、米8月ISM製造業景況指数、2日に米7月貿易収支、米決算:ブロードコム(AVGO)、3日に米8月雇用統計、米8月ISM非製造業景況指数などが予定されている。

<今週の注目銘柄>

米ドル ドル高(コール)型 1268回
権利行使価格110円(原資産:110.11円) デルタ:0.51

前週は、ジャクソンホール会議を前にした持ち高調整の動きから、1.2%台半ばで推移していた米10年国債利回りが1.35%まで上昇してきた。今週も、これまで以上に注目度の高い8月米雇用統計を前に、量的緩和縮小(テーパリング)を見越したポジション調整が続き、金利上昇の動きが継続する可能性がある。米中の経済指標が下振れた場合などは景気減速懸念の強まりからドル安・円高に振れる可能性もあるが、期待インフレ率を考慮した実質ベースでの日米金利差が拡大すれば、ドル円は再び1ドル=110円半ばから後半をつけてくる可能性がある。

ファナック(6954) プット 210回
権利行使価格25,000円(原資産:23,200円)デルタ:-0.59

日本工作機械工業会が発表した7月の工作機械受注額(確報値)によると、中国向けは直近ピークの5月から2割減った。中国のPMIなど経済指標が悪化する中、同国の景気減速懸念を裏付ける格好となった。こうした中、機械関連株の株価では上値の重い銘柄が多く、ファナックも第1四半期決算発表時に通期計画を大幅に上方修正したものの、足元では年初来安値を更新する展開となっている。今週発表される経済指標次第では一段の下押しも否定できず、杞憂に終わったとしても、当面は上値の重い展開が続きそうだ。

富士フイルムホールディングス(4901) コール 108回
権利行使価格8,200円(原資産:8,726円)デルタ:0.74

13日に発表した第1四半期決算では、営業利益が前年同期比2.8倍の563億円と、市場予想を200億円強上回った。また、通期計画は従来の1,800億円から前期比20.9%増となる2,000億円へ引き上げた。主力のヘルスケア事業の増益寄与が大きくなっているほか、イメージング事業なども想定以上だった。その後、2024年3月期までの3年間で半導体材料事業に700億円を投資し、同事業の売上高を1,500億円と約3割増やす方針が報道された。成長分野での更なる業容拡大が期待され、株価は地合いが悪い中でも上昇を続け、上場来高値圏での推移が続いている。押目を狙いたい長期有望銘柄とみている。


(提供:株式会社フィスコ)

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