今週8日は欧州中央銀行(ECB)の政策金利発表、英国の総選挙、日本のメジャーSQ前の先物・オプション最終売買日、コミー前FBI長官の議会証言が重なり、8日から9日にかけて相場が大きく動く可能性があります。
本稿ではこの3大イベントの概要を確認しておくとともに、投資戦略についても紹介しています。
1.ECB政策金利発表
懸念されたEU各国での極右勢力の拡大に歯止めがかかったことで欧州の政治リスクは後退していることや、ドイツのメルケル首相がユーロが弱すぎるといった発言をしていることを踏まえると、8日のECB理事会において金利引き上げを含めた金融引き締めに動く可能性があります。
このシナリオを前提とするとユーロリンク債を対象とするコール型eワラント(ユーロリンク債コール497回など)を保有してユーロ相場の上昇トレンドに追従する戦略が考えられます。
2.英国総選挙
4月18日、英国のメイ首相は突然緊急会見を開き、総選挙を前倒しで実施する方針を示しました。総選挙でブレグジット交渉について国民の信任を問い、総選挙にて与党保守党の議席を増やすことでブレグジット反対派を一掃し、交渉をしやすくするためと見られます。
保守党の圧勝となれば英ポンド高、辛勝となれば英ポンド安になると見られますが、選挙後のEUとの離脱交渉は難航すると考えられます。英ポンド高の局面では英ポンドリンク債を対象とするプット型eワラント(英ポンドリンク債プット327回など)を保有して英ポンド相場の下落を狙う戦略が考えられます。
もし相場が総選挙の結果を受けてどちらかに大きく動くという予想をするなら、短期のコール型eワラントとプット型eワラントを両方、同程度の金額で購入する戦略も一手です。
8日に英ポンド対円相場が140円~142円のレンジにあれば6月14日満期の英ポンド リンク債プット322回と英ポンドリンク債コール356回が候補となるでしょう。9日に大勢が判明して相場が大きく動いたタイミングで両方売却します。リスクとしては大きく動かない場合に損失となります。
3.メジャーSQ前の最終売買日
SQとはスペシャル・クォーテーションの略で最終清算数値ともいいます。上場株価指数先物取引や上場株価指数オプション取引等の権利行使に利用される清算値です。通常、毎月第二金曜日がSQが算出される日(以下、「SQ日」)となっており、SQ日が近づくと相場が荒れる、といった相場解説がなされることもあります。
「SQ日に相場が荒れる」可能性が高いという前提に立てば、日経平均を対象とするコール型eワラントとプット型eワラントを両方、同程度の金額分購入する戦略が有効かもしれません。
7日までにポジションを構築し、SQ日の9日に売却します。買付け時の日経平均が20,500円前後であれば6月14日満期の日経平均プット787回と日経平均コール993回が候補となるでしょう。リスクとしては大きく動かない場合に損失となります。
4.コミー前FBI長官の議会証言
5月にトランプ大統領に解任されたコミー前FBI長官は8日に米国議会上院情報委員会で証言を行う予定です。コミー氏は昨年の米国大統領選挙へのロシア介入疑惑や、トランプ大統領の関与などについて証言すると見られ、トランプ政権を揺るがす可能性があります。
一方でトランプ政権がコミー氏の証言阻止に動く可能性も報じられており、米ドル対円相場を動かす材料になるかもしれまれん。
相場が荒れるという前提であれば、米ドルリンク債を対象とするコール型eワラントとプット型eワラントを両方、同程度の金額分購入する戦略が有効かもしれません。
日本時間の8日までにポジションを構築し、9日に売却します。買付け時の米ドル対円相場が111円前後にあれば6月14日満期の米ドルリンク債プット737回と米ドルリンク債コール857回が候補となるでしょう。リスクとしては大きく動かない場合に損失となります。
(eワラント証券 投資情報室)
※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。